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【破産】返済のための借入が続いた同時廃止事案

2026.03.30
事例 破産・債務整理

この記事は 5日前に書かれた記事です。

1 事案の背景

依頼者は、奨学金を利用して短期大学を卒業後、社会人として働き始めました。

当初の給与は決して高い水準ではなく、一人暮らしの生活費や固定的な支出を賄う中で、次第に預貯金が減少していきました。

やがて、急な出費や生活費の補填のためにキャッシングを利用するようになりました。

その後、職場環境や体力面の問題から転職を重ねましたが、収入は安定せず、過去の借入の返済が生活を圧迫するようになりました。

クレジットカードの支払いやカードローンの返済を続けるために、別の金融機関から借り入れるという状態に陥っていました。

いわゆる「返済のための借入」が始まっていたのです。


2 相談時の状況

相談に来られた時点で、

  • 複数の消費者金融・カード会社からの借入
  • 総額は数百万円規模
  • 毎月の返済額が給与の相当部分を占める
  • 貯蓄はほぼなし

という状況でした。

奨学金については返済猶予を受けていましたが、カードローン等の返済を続けながら生活を維持することは現実的ではありませんでした。

依頼者は「何とか返したい」という思いを持っていましたが、家計を試算すると、完済まで相当長期間を要し、その間に生活がさらに不安定になることが予想されました。


3 法的整理と手続選択

本件では、

  • 高額な財産は存在しない
  • 浪費や射幸行為は見当たらない
  • 近時の偏頗弁済もない

という事情から、同時廃止事件として申立てを行うことが相当と判断しました。

同時廃止とは、破産管財人を選任せずに進む手続類型であり、財産状況が比較的単純な場合に採用されます。

申立書では、家計の収支状況や借入経緯を丁寧に整理し、「生活費不足が連鎖した結果」であることを具体的に説明しました。


4 結果

裁判所は破産手続開始決定を出し、その後、免責が許可されました。

依頼者は債務の支払義務を免れ、現在は安定した職に就き、生活の再建を図っています。


5 この事案から言えること

本件は、いわゆる「浪費型」とは異なり、

  • 収入に対する支出のバランスの崩れ
  • 固定費の重さ
  • 返済のための借入

が積み重なった結果でした。

借金の問題は、特別な事情がなくても起こり得ます。

無理に返済を続けることが必ずしも誠実とは限りません。

状況を整理し、制度を適切に利用することが、結果として生活の安定につながる場合があります。

※事案により結論は異なります。